ホルター心電計を用いた心拍変動パワースベクトラム解析 (HV-PSA) の信頼性について基礎的検討を行った.
【方法】 (1) パルス波形を用いボルター記録, 再生により生ずる不要スペクトルを測定した. (2) 臨床例を対象にHV-PSAを行い高周波数帯域 (HF: 0.25~0.4Hz) および低周波数帯域 (LF: 0.04~0.25Hz) パワー値を求め, (a) FFT解析条件による差異, (b) ホルター記録と直接記録との比較, (C) 短時間内再現性について検討した.
【結果】 (1) 不要スペクトル成分は記録器により異なり, 最大不要HF値27msec
2, 最大不要LF値16msec
2であった.臨床計測値との比較では大部分の症例 (HF94%, LF97%) の解析値は不要パワー値以上であった. (2) ホルター記録と直接記録によるHF値の相関は高かった (r=0.987) が, LF値はHF値と比べて低かった (r=0.714) . (3) 解析条件によりHF値, LF値は平均5~15%変化した. (4) 1分以内における解析値の再現性はHF値, r=0.999, LF値, r=0.974といずれも高い再現性を認めた.
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