心電図
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PTCA直後Silent myocardial ischemiaの同定とその臨床的意義, 予後に及ぼす影響―ホルター心電図を用いて―
村松 俊哉矢部 喜正中野 元塚原 玲子池田 基昭我妻 賢司
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1992 年 12 巻 4 号 p. 425-435

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抄録
ホルター心電図を用いてPTOA直後のSMIを同定し臨床的予後に及ぼす影響につき検討した.対象は初回待機的PTOA成功例直後のホルター心電図上SMIを認めなかった62例 (A群) とSMIを認めた10例 (B群) とした.ホルター心電図はPTOA前, 直後, 1週間後, 4ヵ月後の4回記録しSMI出現頻度の推移も検討した.その結果, トレッドミル運動負荷試験におけるPTOA前後の運動耐容能の推移はA群においては有意に改善するのに比し, B群のそれは改善は示すも有意ではなかった.患者再狭窄率はA群26.6%, B群50%, 病変別再狭窄率はA群20.7%, B群35.3%を示しB群はA群に比し有意に高率であった.SMI出現頻度の推移を検討すると, B群は高率であったがA群は漸次減少した.PTOA直後のSMIは残存虚血, electrical hibernationを示唆する一つの所見であり, PTOA後再狭窄に関連し得る.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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