心電図
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冠状静脈洞刺激時の高位右房電位による心房受攻性の評価
井上 美穂井上 大介坂井 龍太白山 武司大森 斎松本 高士山原 康裕朝山 純中川 雅夫
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1992 年 12 巻 6 号 p. 746-755

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抄録

発作性心房細動の既往を有し, 高位右房 (HRA) 刺激時の高位右房電位の検討において心房受攻性 (AV) が過少評価される症例に対し, 冠状静脈洞 (CS) 刺激によりAVの再評価を行った.心房早期刺激法を用いて得られる%maximum atrial fragmentation (%MAF) , fragmented atrial activity zone (FAZ) , τ, repetitive atrial response (RAR) をAVの指標とし, AV亢進基準は%MAF≧150%orFAZ>0msec, τ≧65msec, RAR陽性のいずれか一つを認める場合とした.その結果, HRA刺激時にはどの基準も満たさず, AV非亢進と評価された20例 (I群) の90%がOS刺激時にはAV亢進と判定された.また, HRA刺激時に全例AV亢進と判定される12例 (II群) においても, 75%がCS刺激よりAV亢進と判定された.CS刺激により測定されたAV諸指標のsensitivity, specificity, positive predictive valueはI, II両群とも高率であり, 心房受攻性評価における有用性が示唆された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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