心電図
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再疎通療法における再灌流障害の指標としての再開通後ST再上昇の意義
岩崎 孝一朗
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1992 年 12 巻 6 号 p. 766-771

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抄録

再疎通療法に成功した急性心筋梗塞69例において再開通後ST再上昇の臨床的意義, 特に慢性期局所壁運動との関連より再灌流障害の指標となり得るかを検討した.ST再上昇は28%に認めた.左室壁運動とST再上昇との関係をみる目的で前壁梗塞44例にかぎってさらに検討した.ST再上昇群と非再上昇群で病変部位, 発症-再開通時間, 側副血行路に有意差がなかった.しかし慢性期局所壁運動がST再上昇群で有意に不良であった.多変量解析にて局所壁運動にST再上昇は, 病変部位・年齢・発症-再開通時間・再開通不整脈とともに有意の関与を認めた.以上より再開通後ST再上昇は再灌流障害の指標となる可能性が示唆された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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