抄録
右室流出路起源心室性頻拍の臨床像について検討した.対象は器質的心疾患を認めず左脚ブロック型下方軸をもつ心室性頻拍患者25例 (持続性9例, 非持続性16例) で, トレッドミル運動負荷試験, isoproterenol負荷試験, 電気生理学的検査, β遮断剤・Ca拮抗剤・Ia群およびIb群抗不整脈剤の薬効評価, ホルター心電図による心室性頻拍の先行洞周期と連結時間の関係について検討した.トレッドミル運動負荷試験では86%の陽性であり, isoproterenol負荷試験では77%に陽性であったのに対し, プログラム刺激での誘発率は23%であった.β遮断剤は88%に有効で他の薬剤に比べ有効率が高かった.またホルター心電図では71%に先行洞周期と連結時間の間に正相関を認めた.以上より右室流出路起源心室性頻拍は運動やカテコラミンによって誘発されやすく, β遮断剤が有効で, その機序としてはtriggered aotivityまたはenhanoed automaticityが考えられた.