心電図
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心室性期外収縮の発生起源同定とその臨床的意義
―Holter心電図および体表面電位図を用いた検討―
土井 哲也
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1993 年 13 巻 3 号 p. 265-274

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抄録
Holter心電図で記録された右室起源の心室性期外収縮 (VPC) を体表面電位図で右室流出路起源 (RVOT群) 44例と, 右室流入路または右室心尖部起源 (RVlA群) 21例に分類し, 発生起源別に器質的心疾患の有無とその内容およびLown分類による臨床的特徴の検討, さらにR-R間隔二次元表示法による発生機序推定を行った.RVOT群VPCは健常心筋由来で単発性, 連結時間は固定性で心拍数に非依存性のものが多く, 発生機序として旋回時間の安定したreentryが推定された.一方, RVlA群VPCは傷害心筋由来で連発性, 連結時間は変動性で先行R-R間隔と正相関するものが多く, 発生機序としてtriggered activityが推定されたが, 施回時間が不安定なreentryの可能性も考えられた.以上のようにVPCは発生起源により臨床的特徴, 発生機序が異なるため治療, 予後を含め発生起源別の検討が重要であり, このために体表面電位図によるVPC発生起源同定は有用な方法と考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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