心電図
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右室流出路起源特発性心室頻拍と自律神経機能-AA間隔変動周波数分析からの検討-
清水 昭彦早野 智子全 栄和江里 正弘濱本 卓之立野 博也山縣 俊彦大谷 望藤井 崇史松崎 益徳
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1996 年 16 巻 1 号 p. 49-58

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抄録
症例は右室流出路起源の特発性心室頻拍 (VT) を呈した39歳女性.ホルター心電図によるRR間隔変動周波数分析と右心耳に留意したJ型リードを用いたAA間隔変動周波数分析を行なった.24時間の記録中に反復型VTが110回認められた.2分間隔のLF, HF成分をlogscale (ms2/Hz) で求め, LF/HF比も算出した.8分間以上洞調律が続いた後, 反復型VTを含む心室期外収縮 (VPO) が4分間以上出現したものをエピソードとした.エピソード直前8-4分の4分間と直前4分間の比較では, LF, HF成分, LF/HF比に関してRR解析およびAA解析ともに, 有意な変動はなかった.しかし, AA解析によるエピソード直前4分間とエピソード中4分間の比較では, LF成分 (3.36±0.71→3.66±0.73) とLF/HF比 (0.83±0.16→0.93±0.19) は有意な増加を認めた.HF成分では有意な変動はなかった.AA解析によって, 本例のVTおよびVPO中に交感神経機能の亢進があると推測された.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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