STZ誘発糖尿病犬の摘出心筋標本において筋小胞体 (SR) 機能異常について検討した.糖尿病犬 (口M) では正常心 (N) に比べ, 等尺性単収縮の収縮高及び最大収縮速度の減少, 弛緩時間の延長がみられた.post-rest contractionの最大値は, Nではrestinterval 1分に, DMでは30秒に得られ, その大きさはNに比べ減少を示した.post-rest oontraotionのrest deoayはDMではNに比べ大きく, 低温 (20℃) , 低Na+液及びouabainによるrest deoay抑制効果は減弱を示した.rapid cooling contraotureはDMではNに比べて小さく, そのrestdeoayは大きかった.SRのryanodine受容体へのryanodine結合のKd, Bmaxは共にDMにおいてNに比べ低値を示した.
以上のことから, DMのSRでは, Ca2+の自然漏出亢進に起因するSR内Ca2+量の減少及びryanodine受容体数の減少が示唆された.