心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
STZ誘発糖尿病犬心筋の筋小胞体異常
今永 一成上原 明亀川 陽次郎松村 健
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 17 巻 4 号 p. 348-357

詳細
抄録

STZ誘発糖尿病犬の摘出心筋標本において筋小胞体 (SR) 機能異常について検討した.糖尿病犬 (口M) では正常心 (N) に比べ, 等尺性単収縮の収縮高及び最大収縮速度の減少, 弛緩時間の延長がみられた.post-rest contractionの最大値は, Nではrestinterval 1分に, DMでは30秒に得られ, その大きさはNに比べ減少を示した.post-rest oontraotionのrest deoayはDMではNに比べ大きく, 低温 (20℃) , 低Na+液及びouabainによるrest deoay抑制効果は減弱を示した.rapid cooling contraotureはDMではNに比べて小さく, そのrestdeoayは大きかった.SRのryanodine受容体へのryanodine結合のKd, Bmaxは共にDMにおいてNに比べ低値を示した.
以上のことから, DMのSRでは, Ca2+の自然漏出亢進に起因するSR内Ca2+量の減少及びryanodine受容体数の減少が示唆された.

著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top