心電図
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房室結節slow pathway ablationによる頻脈性心房細動の心拍数コントロールの可能性について
中井 俊子渡辺 一郎高橋 義和近藤 一彦小島 利明國本 聡渡部 弘美梶田 潤一郎柳川 新斎藤 頴小沢 友紀雄上松 瀬勝男
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1998 年 18 巻 1 号 p. 54-61

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抄録
薬剤抵抗性で難治性の頻脈性心房細動 (Afib) の一部では頻脈になる原因として, 房室接合部の速伝導路 (FP) と遅伝導路 (SP) の双方に房室伝導が関与している可能性が考えられる.そこで今回我々は, SPを高周波力テーテル焼灼にて離断することにより, Afib時の平均心室拍数を減少させることが可能か否かを検討した.対象は薬剤抵抗性の発作性心房粗動を有する5例および房室結節リエントリー性頻拍1例.方法は, SPに対してカテーテル・アブレーション (CA) を施行し, CA前後でAfib時の平均心室拍数を比較した.6例中3例で心房早期刺激法にて二重房室伝導を認め, 同症例においてはSPのCAにより心房頻回刺激にて誘発したAfib時の心拍数の減少を認めた.心房早期刺激法にて明らかな二重房室伝導を認めなかった3症例では, SP焼灼後も誘発したAfib時の平均心室拍数には有意な変化は見られなかった.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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