心電図
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運動負荷試験誘発心室頻拍の臨床的特徴
南家 俊彦中沢 潔三宅 良彦村山 正博
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2000 年 20 巻 6 号 p. 619-627

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抄録

運動負荷試験誘発心室頻拍 (ExT-VT) の出現頻度と臨床的特徴について検討した.93年4月から98年9月までにトレッドミル運動負荷試験を施行した連続7, 884人のうち5連発以上の頻拍が誘発されたのは上室頻拍17人, 心房粗・細動21人, ExT-VT30人であった.本研究はExT-VTの30人 (0.38%) を対象とした.そのうち5人 (0.06%) が持続性であった.ExT-VTの基礎心疾患は虚血性心疾患 (IHD) が11人, IHD以外の心疾患が7人, 器質的心疾患のないものが12人で, 基礎心疾患の有無とExT-VT出現頻度と関係なかった.IHDの心室頻拍 (VT) 波形は左・右脚ブロック型左軸偏位と左脚ブロック型正常軸, IHD以外の心疾患は左・右脚プロツク型左軸偏位, 器質的心疾患のないものは左脚プロツク型正常軸が多かった, 右脚ブロック型のVT波形, 左脚ブロック型左軸偏位のVT波形は心疾患例が多かった, ExT-VTに心臓性突然死はなかったが, 持続性VTの発生率は持続性ExT-VTが非持続性に比し有意に高かった.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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