心電図
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WPW症候群における副伝導路離断後の房室結節順伝導および逆伝導の検討
小田倉 弘典滑川 明男八木 哲夫石田 明彦大友 潔佐藤 公雄伊藤 明一
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2001 年 21 巻 2 号 p. 189-195

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抄録

WPW症候群連続100例に対し副伝導路 (AP) 離断30分後に電気生理学的検査を施行し, 房室結節の順伝導および逆伝導様式を検討した.AP離断後, AH間隔が120msec以上の例を3例 (3%) , 房室結節亢進伝導を2例 (2%) に認めた.AP離断後の逆伝導路は, ヒス東部を最早期興奮部位とする速伝導路が36例 (36%) , 冠静脈洞開口部を最早期とする遅伝導路が16例 (16%) , 両者が5例 (5%) , 室房プロツクが43例 (43%) であった, 早期心房刺激において二重房室結節伝導路は20例 (20%) にみられ, うち6例 (6%) で非持続性の房室結節リエントリー性頻拍を認めた.1例 (1%) で早期心室刺激により持続性の非通常型房室結節リエントリー性頻拍が誘発され, 遅伝導路への通電を要した, AP離断後の房室結節伝導は多彩であり, 新たな通電を要する例もあり, 術前からこうした認識をもつことが重要と考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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