抄録
日常生活活動強度と考えられる運動量において圧受容体反射感受性 (BRS) の変化を定量的に検討した.若年健常者10名〔男7名女3名, 平均193±0, 5歳 (平均値±標準偏差) 〕を対象とし, 自転車エルゴメーターによる症候限界性多段階負荷および嫌気性代謝閾値 (AT) の80%と120%に相当する外的負荷量7分間の1段階負荷を施行, トノメトリー法による血圧と心電図信号をSequential法にて解析, BRSを算出, 安静時と運動時各5分間のBRSを比較した.その結果, 心拍数 (安静時平均84.5±11.8bpm→80%運動時平均116.4±10.9bpm, 120%運動時平均139.8±13.9bpm) , 収縮期血圧 (安静時平均112.1±8.9mmHg→80%運動時平均143.6±6.9mmHg, 120%運動時平均170.6±9.8mmHg) は運動により有意に (p<0.001) 増加し, 安静時BRSは平均9.2±3.8msec/mmHgで80%運動時では平均3.1±2.4msec/mmHg, 120%運動時では平均1.1±0.7msec/mmHgと有意に (p<0, 001) 減少した.日常生活活動強度と考えられるATの80%の運動量においてBRSは安静時に比べて約66%, 120%の運動量においては約88%減少することが定量的に明らかになった.