心電図
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Heart-rate turbulenceの日内変動と生理学的意義について
久保 豊
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2001 年 21 巻 4 号 p. 491-498

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抄録
心室性期外収縮 (VPC) 後の洞調律の揺らぎ―heart-rate turbulence (以下HRT) ―が心筋梗塞の新しい予後予測因子であることが報告された.HRTと幾何学的手法による心拍変動を比較し, その生理学的意義を検討した. [方法] 対象はVPCを平均50個/時間以上認めた健常者17名 (男7名, 女10名, 45.7±13.9歳) , 24時間ホルター心電図記録から得られたRR時系列データを1時間ごとに以下の解析を施行した.HRTはSchmidtらの方法によりturbulence onset (TOS) とturbulence slope (TSL) を求めた.心拍変動は1) Lorenz plotで原点0からの距離のうち, 対角線y=xに平行な成分と垂直な成分の標準偏差 (各LP-L-SD, LP-W-SD) , 2) Triangular HRV index (TI) を指標とした.LP-W-SDはr-MSSD (連続する正常洞調律RR間隔の差の平方平均の平方根) , HF (周波数領域での0.15~0.4Hzの高周波成分) と高い相関を示す, [結果] 1) TSLの53%, LP-W-SDの71%で昼間低く夜間高い概日リズムを認めた.2) TOS, TI, LP-L-SDで有意な概日リズムを認めたのは少数 (それぞれ35%, 29%, 35%) で, いずれも昼間高値であった.3) 各被験者内の相関でTSLはLP-W-SDと71%で有意な相関を認めたのに対し, TOSでLP-W-SDと有意な相関を示したのは24%であった.被験者間の比較でもTSLはLP-W-SDと有意な正相関 (r=0.747, p<0.001) を認めたが, TOSとLP-W-SDの間には有意な相関を認めなかった (r=-0.425, p=0.093) . [結論] HRTの指標の中で, TSLは心臓迷走神経活動との関連性が示唆され, 一方, TOSは心拍変動と関連性の乏しい指標と考えられる.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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