心電図
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II. 緩徐解離型Na+チャネル遮断薬の臨床的特徴と適応
2. フレカイニド
鎌倉 史郎相原 直彦栗田 隆志須山 和弘清水 渉里見 和浩
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2003 年 23 巻 1 号 p. 19-25

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抄録
フレカイニドはVaughan Williams分類のIc群に属する緩徐解離型のNa+チヤネル遮断薬である.本薬は心室性不整脈に対する抗不整脈薬として開発されたが, CAST試験以降はその催不整脈作用が注目を集めるようになった.現在本薬は心機能低下例や虚血性心疾患例には用いられない傾向にあるが, 基礎心疾患を伴わない上室性不整脈では催不整脈の出現率が低く, 優れた抗不整脈作用を示すことが確認されている, 本薬は70%が肝で代謝され, その代謝酵素がCYP2D6であるため, 代謝活性の低下~欠損例や, 高齢者, 肝・腎機能低下例では副作用の発現が予測される.本薬使用時にはQRS幅に注意し, wide QRS頻拍やtorsade de pointes等の催不整脈, および心不全の発生を予防する必要がある.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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