心電図
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Head-up tilt陽性所見を合併したBrugada症候群の1例
江里 正弘清水 昭彦山縣 俊彦上山 剛大村 昌人角川 浩之土居 正浩亀谷 良介金本 将司井上 宣子沢 映良藤井 崇史松崎 益徳
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2003 年 23 巻 6 号 p. 631-638

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抄録
【症例】52歳男性.起床直後の失神発作の精査加療目的で入院.心電図は正常洞調律で, 明らかなST異常は認めず加算平均心電図も陰性であった.Head-up tilt試験では, 数分間の前駆症状を伴うvasodepressor typeの前失神状態を認めたため, neurally mediated syncope (NMS) と診断した.しかし失神発作の形態からNMSのみで確定診断には至らないと判断し, ピルジカイニド (PiI) 負荷試験を含めた頻脈性不整脈の誘発を試みた.【電気生理学的検査】洞調律時の心内心電図上異常は認めず房室伝導能も正常であった.しかし右室連続期外刺激法にて再現性をもってVFが誘発された.さらにPil静注により右側胸部誘導V1H-V3HにおけるcovedST上昇を認めた.原疾患としてBrugada症候群の存在が考えられ, 植込み型除細動器の植え込みを行った.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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