松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
集中治療室に緊急入院した患者家族と看護師の人間関係をペプロウの看護理論を用いて検討した事例
岩田 美津枝渡部 瞳小川 真理原田 久美子鞁嶋 彰子
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2004 年 8 巻 1 号 p. 55-58

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抄録
大動脈解離の84歳女性(事例1)と交通事故による脳挫傷及び多発骨折の23歳男性(事例2)の家族を対象者とし,その家族と看護師の人間関係に,対人関係を基盤にしているペプロウの看護論を応用し分析した.ありのままの相手を知ることで,自然なことではあるが互いに持つ相手への先入観を明確化することができた.具体的には看護師から患者家族に対する早期の歩み寄りが,より早く家族を知るきっかけになり,相互信頼関係を築く大きな要因となった.そしてお互いが理解を増していくと,事例1では「いろいろな相談ができます」との言葉,事例2でも「息子のことが知りたい」と率直な言葉を述べるようになり,看護師からの声かけも増えるという好ましい変化につながった.方向付けの段階,同一化の段階及び開拓利用の段階の各段階で分析を行い,ペプロウの看護論が集中治療室での看護師及び家族に有用であることを確認した.
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© 2004 松江市立病院
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