心電図
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I群抗不整脈薬無効の心房細動症例に対するベプリジルの有効性と限界
大塚 崇之山下 武志相良 耕一飯沼 宏之傅 隆泰
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2004 年 24 巻 6 号 p. 428-433

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抄録
発作性心房細動の薬物療法の第一選択薬として本邦では1群抗不整脈薬が推奨されているが, 経過とともにその有効性が減弱する例が認められる.本研究では1群薬が無効であった発作性・持続性心房細動例に対し, ベプリジルの投与が行われた52例に関してretrospectiveな検討を行った.ベプリジル有効と判定されたのは27/52例 (51.9%) であり, 有効群と無効群の問に年齢, 性別, 左房径, 内服後のQT時間の有意差は認めなかったが, 発作頻度の少ない例でより有効率が高い傾向があった, しかし長期投与例を検討すると, 投与初期有効と判断されても時間経過のなかで無効となる例があり, 投与5年後の有効率は30%と短期的視点と長期的視点の差が認められた.ベプリジルによる1群薬無効心房細動例のrhythmcontrolは, 発作頻度が少ない症例により有効である可能性があるが, 長期間の洞調律維持には限界があると考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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