心電図
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発作性心房細動に対する抗不整脈薬の予防効果の検討
―ピルジカイニド, アミオダロン, ベプリジル+β-blockerの3群間での比較―
野呂 眞人杉 薫板倉 英俊森山 明義川瀬 綾香酒井 毅中江 武志手塚 尚紀坂田 隆夫円城寺 由久岡崎 修樫田 光男赤塚 宣治廣江 道昭矢崎 義雄
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2004 年 24 巻 6 号 p. 434-441

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抄録
【目的】発作性心房細動 (Paf) に対する予防効果をアミオダロン (A) , ベプリジル (B) , ピルジカイニド (P) の3つの薬剤間で比較検討した.【対象および方法】自覚症状のあるPafを呈する120名を対象とし, A, B, Pを無作為に投与した, 3カ月間経過観察し, Pafが認められない場合は同薬剤を継続投与し, 認められた場合は, 他の薬剤に変更し, さらに3カ月間経過観察した.これらを左房径43mm以上と未満, および器質的心疾患の有無で検討した.【結果】A群では53.7%, B群では62.3%, P群では45.0%の症例にPafの予防効果が認められた.BはPに比べ有意 (P=0.003) に有効率が高かった.左房径が43mm以上の場合のPaf予防効果では, A群533%, B群51.4%, P群22.2%で, A, BはPに比べ有意に (p=0, 002, p=0.03) 予防効果が高かった.器質的疾患の有無による検討では各薬剤間で有意差は認められなかった.器質的心疾患があり, 左房径43mm以上では, AがPに比べ有意 (P<0.05) に高かった.【結果】病態によって, 各薬剤の予防効果は異なり, A, BはPに比較しPafの予防効果が高かった.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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