心電図
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Integrated Bipolar ICD Leadの心房波オーバーセンシングによる失神
藤田 禎規岸 良示中沢 潔高木 明彦長田 圭三龍 祥之助宮津 修渡邉 義之西尾 智松田 央郎石川 由香子三宅 良彦中村 雅望月 孝俊
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2006 年 26 巻 5 号 p. 737-743

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抄録

症例は52歳, 女性.心室細動 (Vf) による心肺停止状態となり, 植込み型除細動器 (ICD) 植込み術を施行した.以後Vf発作は認めなかったが, 発作性心房細動 (Paf) によるICDの不適切作動を頻回に認めた.Pafは多剤無効でアミオダロンを使用したが, 甲状腺機能亢進症を生じたため継続不能となった.アミオダロン中止により, 再びPafによるICDの不適切作動を認めた.このため薬物コントロールは困難と考え, カテーテルアブレーションによる房室プロツク作成術および心房リードの追加を行いDDIRペーシングとした.その後はICDの不適切作動は認めなかったが, 7カ月後に失神発作を生じた.ICD記録では, 頻拍イベントは認めなかったが, 入院後の心電図モニターで失神前兆と一致して心停止を認めた.心房波は75bpmの自己調律で, ICDの心内心電図記録から, 心房波のオーバーセンシングによる心室ペーシング抑制と考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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