抄録
持続性心房細動 (AF) のリズムコントロールを目的とした治療戦略においてベプリジルを選択した場合, べプリジルの投与期間がその後の電気的除細動成功率に与える影響について検討を行った, 対象は持続性AF患者29例であり, 対象をベプリジル投与後4週以内に電気的除細動を施行した早期DC群 (20例) とベプリジル投与後4週以降 (5~37週) に電気的除細動を施行した晩期DC群 (9例) の2群に分け, 両群の電気的除細動成功率を後ろ向きに比較検討した.電気的除細動成功率は, 早期DC群で85%, 晩期DC群で44%と, 除細動成功率は早期DC群で高い傾向を認めた.
本研究の結果は, 持続性AFのリズムコントロールを目的とし, ベプリジルによるリバースリモデリング作用を期待した治療を行う際に参考になる所見と考えられた.