2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 37-41
Brugada症候群 (BS) における心房細動 (AF) の発生機序を検討した, 【方法】BS9例および対照群9例を対象に, 右房有効不応期 (RAERP) , 心房内伝導時間 (IACT) および高位右房での単相性活動電位 (RAMAP) を計測した, 【結果】対照群では2連早期刺激にて持続するAFは誘発されなかったが, BSでは全例に3分間以上持続するAFが誘発された (P<0.001) .基本刺激周期600msecでのRAERPは対照群とBSで有意差はみられなかった.最短diastolic interval (DI) での右房単相性活動電位持続時間 (RAMAPD) はBSで短縮傾向があり (145.8±17.72msec vs 131.2±21.41 msec, p=0.075) , またTACT延長率もBSで有意に高かった (149.2±16.3%vs168.7±9、2%, p=0.01) .BSにおいては, 最短DIにおける活動電位持続時間の短縮および, IACTの延長がAFの易誘発性に関与していると考えられた.