心電図
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27 巻, Suppl4 号
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  • 平岡 昌和
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 3-4
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 井上 博
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 5-7
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 高木 雅彦, 相原 直彦, 横山 泰廣, 青沼 和隆, 平岡 昌和
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 8-13
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    特発性心室細動研究会 (JIVFS) に登録後1年以上経過した202例のBrugada症候群症例のうち, 追跡可能であった182例の心事故 (突然死または心室細動) 発生率を解析し, 心停止既往群 (Vf群, 34例) , 失神群 (Sy群, 60例) , 無症候群 (As群, 88例) の3群間に分け比較検討を行った, また臨床的特徴, 安静時12誘導心電図所見について解析し, 心事故予測因子を検討した.平均36カ月の経過観察にて心事故発生率はVf群29%, Sy群8%, As群0%であり, 3群間で有意差を認めた (P<0.001) .心事故予測因子としては, 臨床的特徴は明らかなものを認めなかったが, 心電図学的特徴においてV2誘導でのr-J間隔 (r波の開始点からJ点 [S波以降で最も高い点] までの間隔) 90msec以上, V6誘導でのQRS幅90msec以上の症例で心事故発生率が有意に高く, これらの指標が心事故予測因子として重要と考えられた.以上の結果より, 本邦におけるBrugada症候群は有症候症例 (特にVf群) が無症候症例に比べ予後が不良であり, 心室の伝導遅延がより顕性化することが示された.この心室の伝導遅延を表す指標が, 心事故発生の予測因子として重要である可能性が示唆された.
  • 横山 泰廣, 高木 雅彦, 相原 直彦, 青沼 和隆, 平岡 昌和
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 14-20
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    特発性心室細動研究会では平成18年10月に本邦におけるBrugada症候群に対する電気生理検査 (EPS) 施行のアンケート調査を行い, 全国63施設より結果を回収した.EPSは, 右室心尖部と右室流出路の2ヵ所から2種類の基本刺激周期でS3S4までの心室期外刺激を行い, 最小刺激間隔はSIS2が有効不応期まで, S2S3が180msecまで, S3S4が200msecまでとする施設が多かった.71%の施設は心室頻回刺激も施行していた.EPS陽性判定は心室細動誘発のみとする施設は21%にとどまり, 79%の施設は心室細動に加えて持続性単形性心室頻拍, 非持続性多形性心拍も陽性と判定していた.多くの施設はEPSの結果と臨床症状, 家族歴を組み合わせて植込み型除細動器適応を判断していた.本アンケートにより本邦におけるBrugada症候群に対するEPS施行の現状の―端が明らかとなった.
  • 福田 浩二, 熊谷 浩司, 若山 裕司, 菅井 義尚, 広瀬 尚徳, 山口 展寛, 下川 宏明
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 21
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 上山 剛, 吉賀 康裕, 沢 映良, 鈴木 慎介, 杉 直樹, 大宮 俊英, 大野 誠, 松崎 益徳, 清水 昭彦
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 22-26
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    上室性不整脈のみを有するBrugada型心電図例の臨床的特徴について検討した.I群抗不整脈薬の有無にかかわらずBrugada型心電図 (type1) を呈した95例を症状別に4群 [I群: 上室性不整脈 (n=17) , II群: 失神 (n=21) , III群: 無症状 (n=52) , IV群: 心室細動・心肺停止 (VF/CPA) (n=5) ] に分類し, 年齢・薬物非投与下でのBrugada型心電図 (type1~3) の頻度・心室遅延電位 (LP) 陽性率 (n=93) ・VF誘発率 (n=41) について比較した.平均年齢はI群 (63歳) において有意に高く (II群49歳, III群51歳, IV群54歳) , 薬物非投与下でのBrugada型心電図の頻度はI群 (29%) で最も低かった (II群62%, III群50%, IV群60%) .I群のLP陽性率は56%でIV群 (60%) とほぼ同等であり, II群 (38%) , III群 (51%) に比し高く, 薬物非投与下でのVF誘発率はIV群 (100%) に次いで高かった (I群80%, II群79%, III群50%) .以上より, 上室性不整脈のみを合併するBrugada型心電図例は高齢者に多く, 心房筋のみならず心室筋における伝導遅延も合併している可能性が示唆された.
  • 加藤 克, 井川 修, 足立 正光, 矢野 暁生, 三明 淳一朗, 井上 義明, 小倉 一能, 飯塚 和彦, 久留 一郎
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 27-31
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【背景】Brugada症候群患者では心房細動 (AF) の合併を多く認めるが, その機序は不明である.今回われわれは, Brugada症候群患者におけるAF発症の予測因子として, Naチャネルブロッカー静脈投与後のP波幅の有用性を検討した.【対象と方法】心電図上Brugada症候群と診断され, Naチヤネルブロッカー静脈投与後に有意なST上昇を認めた18例.AF発症の有無により2群に分け (A群5例: AF合併例, B群13例: AF非合併例) , Naチャネルブロッカー静脈投与前後での第II誘導におけるP波幅, QRS幅, 年齢, 左房径を比較した.【結果】Naチャネルブロッカー静脈投与前のP波幅は, 2群間で有意差を認めなかった (A群: 104+/-5.5msvsB群: 105+/-5.0ms) .Naチャネルブロッカー静脈投与後のP波幅はいずれも延長するものの, A群がB群に比べ有意に大であった (A群=160+/-14.5ms vs B群=123+/-5.5ms; p<0.05) .また, QRS幅, 年齢, 左房径については投与前後で2群間に有意差を認めなかった.【結論】Brugada症候群患者における発作性AF発症メ力ニズムの一つとして心房内伝導障害が関与している可能性が考えられた.また, Brugada症候群患者においてNaチャネルブロッカー静脈投与後のP波幅を評価することで, 発作性AF発症を予測できる可能性が示唆された.
  • 小宮山 浩大, 水澤 有香, 弓場 隆生, 久次米 真吾, 辰本 明子, 田辺 康宏, 深水 誠二, 山口 博明, 岡崎 英隆, 手島 保, ...
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 32-36
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群では発作性心房細動 (PAF) が20%に合併し, かつ電気生理検査により高率に誘発されることが知られている, 一方Brugada症候群に伴う心房細動 (AF) の発生機序は明らかでない.しかも多くの抗不整脈薬は右側胸部誘導のcoved型ST上昇を増悪させ, さらにphase2リエントリーから心室細動を起こすリスクがある.そのため, AFの治療に用いることができず治療に難渋するケースが多い.われわれはBrugada症候群に合併したPAFに対するカテーテルアブレーションを4例 (4本の肺静脈隔離1例, circumferential PV isolation 3例) 経験した.いずれの症例も通常みられるAFと同様に肺静脈からの期外収縮を認め, 肺静脈の電気的隔離を行うことで3例 (75%) で発作が抑制された.Brugada症候群に伴うAFに対し, カテーテルアブレーションは有効な治療になりえると思われた.
  • 小船 雅義, 渡辺 一郎, 芦野 園子, 奥村 恭男, 川内 千徳, 山田 健史, 小船 達也, 大久保 公恵, 橋本 賢一, 進藤 敦史, ...
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 37-41
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群 (BS) における心房細動 (AF) の発生機序を検討した, 【方法】BS9例および対照群9例を対象に, 右房有効不応期 (RAERP) , 心房内伝導時間 (IACT) および高位右房での単相性活動電位 (RAMAP) を計測した, 【結果】対照群では2連早期刺激にて持続するAFは誘発されなかったが, BSでは全例に3分間以上持続するAFが誘発された (P<0.001) .基本刺激周期600msecでのRAERPは対照群とBSで有意差はみられなかった.最短diastolic interval (DI) での右房単相性活動電位持続時間 (RAMAPD) はBSで短縮傾向があり (145.8±17.72msec vs 131.2±21.41 msec, p=0.075) , またTACT延長率もBSで有意に高かった (149.2±16.3%vs168.7±9、2%, p=0.01) .BSにおいては, 最短DIにおける活動電位持続時間の短縮および, IACTの延長がAFの易誘発性に関与していると考えられた.
  • 尾木 浩, 中野 由紀子, 三好 美和, 山本 佳征, 末成 和義, 小田 登, 上田 茂之, 平位 有恒, 沖本 智和, 茶山 一彰
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 42-46
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心室細動 (VF) を繰り返すBrugada症候群に対して, 既報の投与量よりかなり少量のキニジンが有効であった2例を経験した.【症例1】24歳男性, 平成12年4月深夜, 飲酒後に意識消失があった.入院後V1, V2でcoved型ST上昇とVFを認め, Brugada症候群と診断, 植込み型除細動器 (ICD) 植込みを行った, 同年5月下旬より深夜にVFを頻回に認めたため, キニジン200mg/日 (1×眠前) の投与を開始した, 平成13年1月, 2月にVFを認め, キニジン300mgへ増量後はVFは発生していない.【症例2】25歳男性.平成14年10月深夜に意識消失し, 入院.V1, V2でcoved型ST上昇を認めたため, Brugada症候群と診断, ICD植込みを行った, 平成15年1月と3月にVFによりlCDが作動したため, キニジン200mg/日 (1×夕) の投与を開始した.以後安定していたが, 平成18年6月28日22時, VFによるICD作動を認めた, この日はキニジンを内服していなかった.少量のキニジンがVF抑制に有効であると考えた.
  • 高木 明彦, 中沢 潔, 岸 良示, 長田 圭三, 龍 祥之助, 桜井 庸晴, 藤田 禎規
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 47-52
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【背景】Brugada症候群に対するジソピラミドの使用可能性を検討した.【方法】Brugada症候群17例にジソピラミドを静脈注射し, 心電図 (ECG) 波形を検討した.また, 電気生理検査 (EPS) を施行した13例で心室細動 (VF) 誘発性を検討した (急性効果) .急性効果を認めた5例にジソピラミドの経口投与を行った (慢性効果) , 【結果】ジソピラミド負荷によりECGが変化した症例は17例中4例のみであった.EPSを施行した13例中9例は無投薬下でVFが誘発されたが, うち6例はジソピラミド負荷後にVF誘発が不可能となった.残りの3例は負荷後にもVFが誘発されたが, うち2例は持続時間が短縮し, 1例は誘発閾値が上昇した.ジソピラミドを経口投与した5例では, 4年6カ月から14年7カ月の投与期間でcoved型ST上昇は確認されなかった.5例中1例は4年8カ月で突然死したが, 4例はVFの再発なく経過している.【結論】植込み型除細動器の植込みに同意が得られない症例, 心房細動などの上室不整脈を合併した症例に対する薬物治療として, ジソピラミドの使用可能性が示唆された.
  • 佐々木 伸也, 渡部 潔, 田澤 寿子, 渋谷 清貴, 小幡 篤, 宮沼 弘明
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 53-57
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1987年から2006年までに当院で診断した有症候性Brugada症候群について調査した, 該当症例は11例.初診時年齢は平均43.5歳で全例男性であった.突然死の家族歴は2例, 心合併症は冠攣縮性狭心症 (VSA) 1例, 心房細動 (AF) 1例であった.電気生理検査 (EPS) での心室細動 (VF) 誘発例は8例であった.初期治療は, 植込み型除細動器 (ICD) 植込み2例, 抗不整脈薬投与8例 (主にジソピラミド) で, 無治療が1例であった, 同症例について追跡調査を行い, 平均観察期間134.5ヵ月で1例が突然死したが, 他の10例は生存が確認された.本調査結果では, 従来本邦で報告されてきたBrugada症候群の特徴と比較し, 好発年齢, 性別, EPSでのVF誘発率についてはほぼ一致していた.しかし, 平均観察期間約10年で, 抗不整脈薬投薬群, 非投薬群いずれもVF/失神再発例は少なく, 必ずしも生命予後が不良とはいえない結果であった.
  • 坂部 茂俊, 笠井 篤信, 後藤 至, 安富 眞史, 角田 健太郎, 山中 崇, 大西 孝宏, 説田 守道
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 58-63
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群では心室遅延電位 (LP) 陽性を示すことが多い.ホルター心電図記録装置Spider View (ELA社製) の高解像度記録モードを用いると, ノイズの混入しない安静時に限り経時的にLPを記録することができる.この装置を用いてBrugada症候群患者における薬剤効果とLPの関係を調べた.
    症例は30歳代の有症候性Brugada症候群の男性, 心室細動 (VF) に伴う痙攣, 意識障害があり, 2005年3月に当院で植込み型除細動器 (ICD) を植込んだ.経過中VFを繰り返し, ICD作動が頻回となったため薬物治療を開始.これまでの経過でデノパミンの有効性が確認されている.VFは必ず睡眠中未明ごろに記録される, 夕食後薬剤 (単剤にてデノパミン10mg, シロスタゾール100mg, キニジン200mg) を服用させSpider Viewを装着し翌朝まで記録した, LPは30分ごとに測定し, filtered QRS duration (F-QRS) , RMS last 40 msec (RMS) , Duration under40μV (LAS) を算出した.これらのなかからノイズが0.4μV未満の値のみを採用して解析した結果, デノパミン, シロスタゾールは有意にLPを小さくしたがキニジンでは不変であった.シロスタゾール内服下で頭痛を訴えたため, 現在もデノパミンの内服を継続している.
  • 高橋 尚彦, 篠原 徹二, 岡田 憲広, 油布 邦夫, 原 政英, 吉松 博信, 鳥越 徳子, 中川 幹子, 小野 克重, 犀川 哲典
    2007 年 27 巻 Suppl4 号 p. 64-67
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    [症例1] 38歳男性.Prominent J波症候群.深夜に失神し, 救急隊が心室細動 (VF) を確認した後, 電気的除細動に成功.植込み型除細動器 (ICD) 植込みを行った.J波はプロプラノロール, ベラバミルで増高し, イソプロテレノール, ジソピラミド, 心房ペーシングで減高した, VF発作によりICDが頻回作動した, VFはシロスタゾール300mg/日で抑制されたが, 患者は洞性頻脈による強い動悸を自覚した.ベプリジル150mg/日を併用したところ心拍数が低下し動悸は消失した. [症例2] 35歳男性.Brugada症候群.深夜に失神し, 救急隊がVFを確認した後電気的除細動に成功.ICDを植込んだが, VFが頻回に生じるようになった.シロスタゾール200mg/日を投与したところVFは抑制されたが洞性頻脈による動悸を訴えた.ベプリジル100mg/日を併用したところ心拍数が低下し動悸は消失した.特発性心室細動患者のVF発作に対し, シロスタゾールが有用な症例は少なからず存在すると考えられる.シロスタゾールのVF抑制機序として, 内向きCa電流 (ICa) 増加と一過性外向き電流 (Ito) 抑制が推測される.シロスタゾール200~300mg/日の投与では洞性頻脈による動悸を自覚する場合が多く, その場合, 心拍数低下作用のある薬剤としてICa抑制作用を伴うもののIto抑制効果を有するベプリジルの併用が有用と考えられた.
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