抄録
3分間に30拍以上発生する心室性期外収縮を有する患者145例を対象として, mexiletineカプセルの抗不整脈効果ならびに有用性をpindolol錠を対照薬として二重盲検群間比較法にて検討した。
心電図 (3分間記録) を参考とした主治医の判定によるmexiletineの期外収縮に対する効果, 最終全般改善度および有用度は, いずれもpindololのそれに比べ有意に (P<0.01) 優れた成績を示した。対象患者の一部 (51例) に施行したHolter心電図の解析結果でもmexiletineは明らかに期外収縮数を抑制した (P<0.05) がpindololでは有意な抑制効果を示さなかった (P>0.5) 。発現した副作用 (両群ともに16例) は, 両群ともに食欲不振, 悪心など消化器症状が主であり, そのほか振戦, 眠気など以外に認むべき重大な副作用は発現しなかった。
以上の結果より, mexiletineは心室性期外収縮に対してpindololに比べ有用性の高い抗不整脈薬と考えられる。