心電図
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冠動脈1枝病変における運動負荷心電図のST/HR slopeに影響する冠解剖学的および負荷心電図学的因子の検討
計田 香子佐藤 磐男高木 洋土橋 和文下村 克朗
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1987 年 7 巻 3 号 p. 305-312

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抄録
運動負荷心電図のST/HR slopeに影響する冠解剖学的および負荷心電図学的因子を明らかにするために, 主要冠動脈1枝病変の46例を対象に, 多段階Treadmill運動負荷試験のaVFとV5誘導のSTJ60低下度と心拍数の進行度の比から求めたST/HR slopeについて検討した.右冠動脈と左前下行枝6番の狭窄例では左回旋枝や7番の狭窄例よりもST/HR slopeは高値であった.左前下行枝例での狭窄度とST/HR slopeには弱い正相関がみられた (R=0.64, 0.62, p<0.07, 0.10) .良好な側副血行はST/HR slopeを低下させるが, 側副血行は狭窄度の高い症例に多く, その効果は相殺され, 影響は小さかった.ST/HR slope計測不能例は有意なST低下のない症例にのみ見られ, 下向型または水平型ST低下例ではST/HR slopeはやや高値を示した.負荷量や到達心拍数の影響は少なかった.これらの影響因子を考慮した上で, ST/HR slopeを冠疾患の重症度判定のための運動負荷心電図検査の1指標として用いることは有意義であると思われた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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