抄録
健常成人男性40名 (年齢22から69歳, 平均38.0±9.4歳) を対象として, 呼吸変動に伴う体表面電位図の変化を検討した.深吸気時には電位図における正負領域の分布が下方に移動し, 極大極小の位置が全心周期を通して安静呼気時に比べ約1肋間下方に変位した.またR波, S波のピーク電位はV1-V6を結ぶ線上を境としてその上方で減少し下方で増大した.この電位変化はV1-V6の付近で最大であった.深呼気時には安静呼気時と比べ顕著な変化がなかった.呼吸変動により体表上の記録電極に対し心臓の位置が移動することがレ線所見で認められており, この心臓の位置変化が特に深吸気時における電位図変化の主因と考えられた.