心電図
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ジギタリス誘発triggered activityに対する薬物の作用
秋山 健太郎橋本 敬太郎
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1987 年 7 巻 Suppl2 号 p. 52-56

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抄録

ジギタリス中毒による不整脈発生機序として, 振動性後電位によるtriggered activityが注目される.この現象は, 微小電極法を用いた実験では証明されているが丸ごとの心臓を用いた動物実験での検討は充分でないので, その作製を試みた.その結果, 少量のウワバイン静注と連続心室刺激により心室性期外収縮が誘発されることが証明され, 刺激間隔が短いほど心室性期外収縮の連結時間が短くなることが観察された.さらにこの頻回刺激により誘発された心室性期外収縮に対して抗不整脈薬を投与したところリドカイン (3mg/kg) は有効であったがベラバミル (0.2mg/kg) には心室性期外収縮数をわずかに減少させる作用しか認められなかった.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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