心電図
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冠動脈疾患者に観察されるsleep apneaとその臨床的意義
川村 満尾大塚 邦明小田原 弘明土居 義典小沢 利男
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キーワード: 冠動脈疾患, ST低下, 心係数
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1988 年 8 巻 2 号 p. 215-222

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抄録
冠動脈疾患におけるsleep apneaの出現頻度とその意義について検討した.まず健常者・心疾患患者94名に24時間呼吸心電図記録を行い, sleep apneaと心拍数変動との関係を検討した.その結果無呼吸持続時間とそれに伴う心拍変動数とはr=0.9の良い相関が示され, 心拍数変動様式からsleep apneaの推測が可能であると考えられた.そこで冠動脈造影により75%以上の有意狭窄が証明された59症例 (男49名, 女10名, 42~74歳) のホルター心電図記録を分析し, 労作性狭心症42例, 陳旧性心筋梗塞17例の86%, 65%にsleepapneaが観察された.max. apnea indexは各々平均18.2回, 16.8回であり健常者の6.5回に比し有意に大であった.冠動脈病変数, 病変部位とsleep apneaとの間には一定の関係は認められなかった.左前下行枝1枝病変16例において, sleep apneaと心係数との相関を検討したところapnea index, 無呼吸持続時間と心係数とは有意の負の相関を認め心係数の低下症例にsleepapneaの出現頻度が大きいことが示された.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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