抄録
本研究の目的は、2015年に「信州型自然保育認定制度」を創設し、自然保育推進の先進自治体といえる長野県において認定を受けた保育施設の特徴分析を通じて、今後の自然保育普及における示唆を得ることである。長野県の自然保育ポータルサイトに紹介されている信州型自然保育の認定を受けた全 241 園のうち、226 園が「本園の特徴」として掲載しているテキストデータを使用し、計量テキスト分析を行った。
計量テキスト分析の結果、自然環境、地域・人的資源などを活用し、「つながり」に重きを置いた広範に及ぶ総合的な活動を展開していることが自然保育認定園の特徴であると示唆された。本研究により得られた知見は、我が国における自然保育の普及を考える上で有用な示唆を与えるものであり、地域の実情に合わせたエコシステムとして認定・認証制度が機能することが望ましい姿と考えられた。