抄録
本研究は、東北地方の保育者養成校に在籍する学生1,616名を対象に、自然体験の実態と自然観を明らかにし、自然保育の質向上に向けた保育者養成カリキュラムへの示唆を得ることを目的とした。質問紙調査及び自由記述の分析結果から、(1)五感を伴う自然体験(M=4.37, SD=0.63)が最も高く、恵みを得る自然体験(M=3.18, SD=0.98)が相対的に低いこと、(2)自然体験の多さと自然に対する肯定的な感情反応との間に有意な正の相関関係があること、(3) 共起ネットワーク分析から、保育学生の自然観は、自然の構成要素、心理的効果など9つの観点から捉えられること、(4) 地域特性として雪に関連する活動(経験率95.3%)が特徴的に高い一方、水上活動(経験率49.6%)は相対的に低いことが示された。これらの結果から、多様な自然体験の機会を設け、自然観を育み、地域特性を活かすこと、また体験後の振り返りを通して肯定的な感情反応を促すなど、体系的な保育者養成カリキュラムの改善策を提案した。