抄録
学生が,CADの利用を中心とした新しい設計手法を活用して問題を解決するための能力を育成することは,設計・製図教育の教育目的の一つとして今後ますます重要になると考えられる.CVDを導入した効果的な教育実施にあたっては,設計・製図教育の教育目的に照らして,その効果と問題点を総合的に評価する必要がある.
本論文では,CADの教育効果について,進行しつつある教育カリキュラムにおいて,その都度効果を評価するための一手法を提案し,本手法を実際に適用することで,その有用性を確認した.さらに情報提示方法の違いによる学生の製図知識への影響を評価するため,試作したWWWの提示と印刷資料の提示のどちらを学生が選択するかについて調査を行い,その結果,情報の参照順序が学生のその後の知識定着に影響を与え可能性が指摘された.