工学教育
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自律的に活動する方法を学ばせる試み
池田 博一
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2001 年 49 巻 2 号 p. 40-45

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抄録
卒業研究を創成科目とし,チームで課題を自律的に解決する学習方法,いわゆるプロジェクトベースドラーニング(以下PBL)を採用すると「何をどう進めたら良いかわからない」チームが多く出る.そこで,3年生後期に著者の研究室に配属の決定した学生を対象として,問題解決の手順,手段などを事前に習得する準備用のPBL「ろうそくの熱力学」を実施している.アンケートによりその効果を検証した結果,(1)問題解決の手順や手段を習得させ,卒業研究PBLをスムーズに進めさせることができただけでなく,(2)準備用PBLでの作品発表競技会に,1年前に体験している4年生を観客として参加させることにより,4年生に卒業研究期間を含めた1年間の成長を自覚させられること,また,(3)3年生にとっては学んだ工学の応用を自ら経験できることから時宜を得た学習方法であることなど,教育効果の大きなことがわかった.
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