抄録
今日の高等教育改革の流れの中に,高専の将来像は見えてこないのが,現状である.教育現場には,漠とした不安が漂い,重い雰囲気と焦燥感が感じられる.これまでにも高専改革が,打ち出されたが,高専制度の法的位置付け,教育・研究実績の総括,社会の要望などの十分なデータや解析が行なわれなかったために,頓挫した苦い経験をもっている.本論文では,はじめに高専40年の歴史を概括し,次に保護者,卒業生,県内企業,県外企業に対して調査したアンケートを解析する.さらに,近年の高専関係者の教育,研究,地域活動等を踏まえ,「21世紀の高専像」を提案する.