教育医学
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異なる非観血的連続血圧測定装置による間欠的漸増負荷運動時の血圧変動の比較
中田 征克出村 慎一山次 俊介近藤 針次
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2008 年 53 巻 3 号 p. 286-292

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抄録
 本研究の目的は,自転車エルゴメータによる間欠的漸増負荷運動中の血圧変動を異なる非観血的連続血圧測定装置で同時に,連続的に測定し,比較することであった.被験者は健常な男性12名(年齢:19.9±1.4歳,身長:171.8±5.1cm,体重:64.7±6.3kg)であった.非観血的連続血圧測定装置として,容積補償法に基づくPORTAPRES(Finapres Medical Systems)と血液中のヘモグロビン量の変化量から推定するRadia press RBP-100(ケーアンドエス社)を利用した.  両測定装置による安静時の血圧値はSBP,DBPとも有意差は認められず,ほぼ一致した.安静時における両測定装置による時系列測定値の異常値(±3SD以上)は,SBPにおいてPORTAPRESがRadia press RBP-100より小さかった.一方,漸増負荷運動時において,PORTAPRESは安静時に比べ異常値が増加する傾向にあった.また,SBP,DBPは運動の漸増に伴い両測定法とも有意に増加するが,その増加は特にSBPにおいてPORTAPRESがRadia press RBP-100より著しかった.結論として,両測定装置の安静時の血圧値はほぼ一致するものの,間欠的漸増負荷運動による血圧変動のトレンドは必ずしも一致しなかった.
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2008 日本教育医学会
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