教育医学
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間欠的筋持久力評価における筋放電量と筋持久力の関係
宮口 和義出村 慎一山次 俊介吉村 喜信青木 宏樹山本 裕太出村 友寛
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2009 年 55 巻 2 号 p. 176-183

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抄録

 本研究は,間欠的筋持久力評価における指示条件の影響を明らかにするため,筋電図を用いて各条件での筋出力と筋放電量(EMG)の関係について比較検討することを目的とした.青年男子12名が,1)指示音と同時に素早く最大握力を発揮する(Ex1).2)指示音と同時に素早く最大握力を発揮し,1秒間持続する(Ex2)の2条件で2秒間の間欠的最大握力発揮を6分間(180回)行なった.両条件での筋持久力測定中にEMGが記録された.  最大筋力発揮時のEMGの最大振幅に対する各試行の筋放電量の相対値(%EMG)は,Ex1では前半に比べ中盤および後半で有意に低値を示したが,Ex2では時間経過に伴う変化は認められなかった.各試行の最大発揮筋力を基準とする相対値(%Peak)および力積はEx1およびEx2とも時間経過に伴い有意に低下した.中盤以降,Ex2の%PeakはEx1に比べ有意に低値を示した.%EMGはEx1の前半においてのみ力積と有意な関係(r=0.60)を示した.  Ex1の測定前半では発揮値はEMGを反映するが,Ex2では全時間帯を通して,EMGを反映しないことから,測定の条件設定が異なる場合,評価される筋持久力は異なることが示唆された.

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2009 日本教育医学会
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