日本環境感染学会誌
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報告
指定抗菌薬使用届出制度の導入効果
酒井 義朗井上 光鋭有馬 千代子久保 裕子鶴田 美恵子
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2008 年 23 巻 1 号 p. 66-71

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抄録
  わが国の多くの医療施設で問題となっている薬剤耐性菌を蔓延させない体制作りは重要な課題である.当院では,抗菌薬適正使用を目的に4世代セフェム薬,カルバペネム薬,ニューキノロン薬,抗MRSA薬を対象に指定抗菌薬使用届出制度を2003年8月に導入した.結果,抗菌薬使用量,特に指定抗菌薬で使用量が減少し,医療費の削減効果も示した.Acinetobacter baumannii, Pseudomonas aeruginosa, Serratia marcescensの耐性率変化では指定抗菌薬において耐性率の上昇は認めなかった.以上より,届出制度は使用量抑制,医療費削減の効果を示したと考える.
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© 2008 一般社団法人 日本環境感染学会
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