日本環境感染学会誌
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原著論文
病棟で使用中の超音波式ネブライザーの微生物汚染対策
勝井 則明真鍋 美智子喜多 英二
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2009 年 24 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

  ネブライザーは医療関連感染(院内感染)における医原性因子となることが知られている.病棟で使用されている超音波式ネブライザーについて,薬液槽中の吸入液を調査したところ,サンプリングした吸入液の19%に微生物汚染が認められた.微生物汚染の要因として,超音波照射による薬液カップの破損と,患者唾液の蛇管から薬液槽への逆流が推察された.薬液カップの破損を電気抵抗値の変化で検出し,その薬液カップを新品と交換すると共に,唾液が蛇管から薬液槽に逆流しないようにアダプターを取り付ける等の対策を講じたことにより,病棟で使用されている全てのネブライザーについて,吸入液中の微生物汚染を検出限界以下のレベルに安定して維持することができるようになった.

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© 2009 一般社団法人 日本環境感染学会
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