2009 年 24 巻 2 号 p. 79-84
同時期にインターフェロン-γ遊離試験キット(IGRA)と細菌学的検査を実施し分離同定し得た34例において,Mycobacterium tuberculosis陽性・IGRA陽性が14例,M. tuberculosis陽性・IGRA判定保留が5例,M. tuberculosis陽性・IGRA陰性が2例(抗癌剤治療中)であった.M. tuberculosis陰性・IGRA陽性が3例あり,M. avium, MAC, M. intracellulareが分離されていた.M. tuberculosis陰性でIGRA陰性は8例,判定保留・判定不可が各1例であった.また,今回の検討期間中,判定不可の結果が多かったために,次の検討を行った.実験的に単核球数を濃縮したが,測定値Mの値は変化しなかった.また,抗原刺激後の培養時間を長くしたが,逆に低値を示した.抗原刺激を倍量にすると測定値M値の上昇が認められた.
以上,ESAT-6, CFP-10抗原,陰性コントロール,陽性コントロールの4つの吸光度の値で総合的に判断し,IGRAの結果のみで活動性結核症の判定はすべきではなく,診断の補助的なものにすべきと考えている.