抄録
速乾性手指消毒剤,液体石けん及びスクラブ剤の使用量とmethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)の新規検出入院患者数を調査し,速乾性手指消毒剤による手指衛生の遵守率向上に対する活動の評価を行った.結果,病棟及び外来での速乾性手指消毒剤の使用量は経年的に増加し,2007年度の病棟及び外来の使用量は2005年度に対してそれぞれ45.2%,64.5%有意に増加した.MRSAの新規検出入院患者数は,2005年度は10.3件/10,000 patient days, 2006年度及び2007年度はそれぞれ9.8件/10,000 patient days, 8.8件/10,000 patient daysと経年的な減少傾向を示した.これらの結果より,我々の取り組みは,病棟及び外来での速乾性手指消毒剤による手指衛生の遵守率向上に寄与し,入院患者におけるMRSAの新規検出菌数減少に一定の効果を示したと考える.