日本環境感染学会誌
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報告
アデノシン三リン酸測定を用いた手術時手洗い評価の臨床的意義
久田 友治, 太田 光紀, 垣花 シゲ
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2011 年 26 巻 2 号 p. 83-86

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抄録
  手術時手洗いの標準的評価法は細菌培養を用いたグローブジュース法であるが,この方法は操作が繁雑で日常での実施は困難である.一方,アデノシン三リン酸(ATP)を簡便に測定する機器が開発され,医療機器の清浄度評価に用いられている.本研究の目的は,手術時手洗いの評価にATP測定を用いた方法が臨床的に有用であるかを検討することである.手術時手洗いの前後で,グローブジュース法の変法により検体を採取した.検体の細菌コロニー数とATPを測定し,片手あたりの細菌数とATPに換算した.細菌数(log)とATP(log)との相関は有意であった.また,細菌数(log)およびATP(log)の一致率は90%と高かった.しかし,細菌減少率とATP減少率には有意な相関は認められなかった.私達が考案した方法は標準的評価法と比較して測定時間が短く,操作が簡便で,コストも低いので,これが確立されれば日常の臨床現場で有用であると考えられる.一方,この方法は細菌外にあるATPも測定しており,手術時手洗い後に細菌数は減少しても細菌より小さいATPが手指に残存することが,細菌数とATPの減少率に差がある原因かもしれない.以上より,手術時手洗いの評価にATP測定を用いた方法が臨床的に有用であり,方法の改良や判定基準を検討してこの評価法を構築していく意義があると考えられた.
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© 2011 一般社団法人 日本環境感染学会
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