日本環境感染学会誌
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奈良県内の病院における手指衛生の状況に関するアンケート調査
久留野 紀子笠原 敬三笠 桂一柗浦 一徳谷 純子
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2013 年 28 巻 2 号 p. 91-96

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抄録
  医療関連感染予防においては,手指衛生の遵守率の向上と維持が重要な課題である.そこで今回,奈良県内における手指衛生の現状と手指衛生の遵守率向上維持に向けての活動の実態を調査した.
  2011年10月15日に開催された奈良県医療関連感染予防ネットワーク研究会に参加した23施設の看護師宛てに2011年11月1日に調査票を送付し,11月30日までに郵送で回収した.
  23施設中18施設から回答があり,回答率は78.3%であった.回答した全ての施設が液体石けん及び速乾性手指消毒薬を設置していた.手指衛生遵守率調査は8施設(44%)が行っていると答えた.しかし,遵守率を回答した施設は1件(5.6%)のみであった.全ての施設が最低年1回は実技指導やビデオ,洗い残しチェックなどを用いた啓発活動を行っていた.
  今回のアンケート調査から,多くの病院で手指衛生遵守の向上維持への取り組みはなされているが,直接観察法などを用いた手指衛生遵守状況を把握,評価している病院は稀であることわかった.
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© 2013 一般社団法人 日本環境感染学会
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