2020 年 35 巻 5 号 p. 193-197
日本の新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019,COVID-19)は入院加療が原則であった.兵庫県立加古川医療センターでは指定医療機関として軽症,無症状感染者から重症患者までを受け入れたが,個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)不足の回避と職員の院内感染防止が大きな課題になっていた.そこで受け入れ初期段階からセルフケアが可能な軽症,無症状感染者については病棟全体を居住空間としてゾーニングし,看護や診療の労力を最小にしつつPPEを節約した.重症患者では廊下を共通のPPE着用ゾーン(オレンジゾーン)と設定しPPEの節約と感染管理を両立した.詳細をここに報告する.