2020 年 35 巻 5 号 p. 201-205
多摩南部地域病院では,抗菌薬適正使用支援として薬剤師主導によるAntimicrobial stewardship program(ASP)を導入した.導入開始後10ヶ月での評価では第4世代セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬の投与日数は減った.しかし,当時抗菌薬の感受性率に大きな変化はなかった.今回,ASP導入後3年間での第4世代セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬の使用量と緑膿菌の耐性率について評価した.抗菌薬の投与日数は10ヶ月の介入後と変わらなかったが,緑膿菌の第4世代セフェム系およびカルバペネム系抗菌薬の耐性率は減少した.緑膿菌の第4世代セフェム系抗菌薬の耐性率と第4世代セフェム系抗菌薬の使用日数に有意な相関を認めた.
薬剤耐性率を減少させるためには,より長い介入が推奨される.