日本環境感染学会誌
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総説
小児の成熟度を考慮した薬物動態と抗菌化学療法
辻 泰弘
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2021 年 36 巻 2 号 p. 77-82

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抄録

数値上,小児と成人を比較した場合に最も大きく異なるものは体重である.ヒトは全ての生理機能が完全に備わった状態で生まれてくるわけではなく,生後の発達に伴い必要な生理機能を獲得する.成人を100%とすると,腎機能の指標である糸球体濾過速度の成熟度は出生時点において成人の25-40%程度であるが,出生後1年で90%程度まで成熟し,出生後2年で成人と同程度となる.本稿では,生物のエネルギー代謝,小児から大人への成熟度および小児における薬物動態の基本的な考え方を述べた後,抗菌薬の投与設計について概説する.

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© 2021 一般社団法人 日本環境感染学会
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