日本環境感染学会誌
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Virtual reality(VR)を活用した感染症教育
大森 慶太郎
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2025 年 40 巻 4 号 p. 164-167

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抄録

適切な手指衛生と個人防護具(PPE)着用は感染対策に不可欠な手技であるが,遵守率の低さが問題である.近年,Virtual reality(VR)は,さまざまな分野で教育ツールとして応用されており,医療分野においても導入が試みられている.

広島大学では感染症に対応できる人材を育成するため,VR制作会社ジョリーグッド社と提携し感染症教育のためのVRコンテンツを作成した.実際の病室を用いて360度カメラで撮影し,学習者がよりリアルに医療現場を疑似体験できるようにした.ナレーションや解説動画,テロップを用いて,標準予防策や接触感染予防策の必要性や実践方法を教育できる内容にした.医学科生を対象に教育効果を検証したところ,従来の講義形式の学習に比べ,手指衛生やPPE着脱に関する得点が有意に高かった.アンケート結果からはVRによる学習は臨場感のある疑似体験を通じて,学習者の意欲や集中力を高め,効果的な学習教材になると考えられた.

医学教育や感染症教育における新たなツールとして,VRの有効性や課題について,既報と我々の経験を基に紹介する.

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