環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
手術部位感染サーベイランスシステム (NISDM-SSI) の開発とその運用について
佐和 章弘赤木 真治神谷 晃斉藤 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 18 巻 3 号 p. 299-304

詳細
抄録
市販データベースソフトを利用して独自の手術部位感染 (SSI) サーベイランスシステム (NISDM-SSI: Nosocomial Infections Surveillance Data Manager for Surgical Site Infection) を開発した. 特徴は (1) 施設問の属性の相異に対応できる高い汎用性,(2) 日本環境感染学会のJapanese Nosocomial Infections Surveillance (JNIS) システムに完全対応し厚生労働省の事業にも使用可能,(3) 簡便で快適な入力環境を実現,(4) 入力データを手術手技毎に集計しリスク・インデックス・カテゴリー別に即座に統計処理が可能,(5) 入力データの安全性を確保するバックアップ機能を保持,(6) サーベイランス結果に関連する各種原データや帳票がボタン指定で直ちに印刷可能, などである.
本システムを試用し当院の消化器外科部門のSSI感染率を算出したところ, 手術手技毎, リスク・インデックス・カテゴリー別に出力できただけでなく, 執刀医別あるいは患者年齢別に層別表示が即座にできた. また, 厚生労働省提出用ファイルも正常に出力され, データクリーニングの必要はなかった.
簡便な入出力性, 容易な集計および統計機能を有するNISDM-SSIシステムはSSI感染サーベイランスの実務に有用であった.
著者関連情報
© 日本環境感染学会
次の記事
feedback
Top