環境感染
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保健所職員を対象にしたインフルエンザワクチンの有用性に関するアンケート調査
永山 洋子
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2006 年 21 巻 2 号 p. 115-119

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抄録

2003年11月に, 千葉県は, 県下15保健所職員を対象に, インフルエンザワクチン接種を行った. その後, インフルエンザ流行が終了した2004年3月末に, インフルエンザワクチン接種を受けた保健所職員と, 受けなかった保健所職員の両者を対象に, インフルエンザに関する質問表を配布し, 各質問項目に対する無記名回答をお願いした. ワクチン接種者の総数は424名 (男性148名, 女性224名, 性別記載無し52名), 未接種者は82名 (男性29名, 女性38名, 性別記載無し15名) であった. ワクチン注射後の冬季期間中に, 発熱有りと答えた人は, ワクチン接種者424名中30名 (7.1%) (男性6名, 女性17名, 性別不明7名), ワクチン未接種者82名中12名 (14.6%) (男性5名, 女性7名) であり, ワクチン未接種者群に, 発熱率が約2倍高く, その数値に有意差がみられた (χ二乗検定, p<0.05).さらに, インフルエンザワクチン注射部位の局所反応 (上腕部) について検討したところ, 局所反応があったと答えた人数は, 男性148名中18名 (12.2%), 女性224名中80名 (35.7%), 性別不明4名であり, 注射後の局所反応の有症率には, 男女間で有意差を認めた (χ 二乗検定, p<0.001).以上の結果より, インフルエンザワクチンは, 流行時の発熱回数を低下させたが, 女性の局所反応については, 今後も注意を要するものと思われた.

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