抄録
血液内科において発熱性好中球減少症 (febrile neutropenia: FN) に対して, 抗菌薬を発症順に使用するミキシング療法を導入した. 血液疾患に伴う感染症の原因菌として重要な緑膿菌について, 導入前1年間, 導入後1年間, 最近1年間の3期に分け, 病棟における検出率, 使用したセフェム薬・カルバペネム薬感受性率をレトロスペクティブに調査した. その結果, 緑膿菌検出率は有意に減少し, 多剤耐性緑膿菌検出数, 患者数も減少した. また, 感受性率は殆どの薬剤で改善した. 今回, ミキシング療法により感受性率が改善したことは, 耐性菌の出現を抑制することができる可能性が示唆された.