2007 年 22 巻 4 号 p. 305-309
看護学生の感染防止に関する理解と臨地実習における感染防止対策の実施状況について把握することを目的として, 臨地実習終了後にアンケート調査を行った. 対象は看護大学看護学科の3年次の学生78人である. その結果, 学生は病原体の感染経路についての正しい理解が充分ではなく, 「標準予防策」「看護ケアと感染防止」「職業感染防止」「感染管理におけるインフォームド・コンセント」について学習の必要性を感じていた. また, 学生が最も心がけていた感染防止対策は手洗いであった. さらに, 多くの学生が感染防護用具を使用して臨地実習を行っていた. 特に, 手袋については, 96.2%の学生が使用していたが, 一方で, 3.8%の学生は使用していなかった. 今後の課題として, 感染経路の遮断という感染防止の基本原則をふまえた教育内容や方法の検討, および, 看護ケアの内容に関連した感染防護用具の使用状況を把握し, 適切な方法で感染防護用具を使用できるような教育方法の検討が考えられる.