環境感染
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Pseudomonas cepacla院内感染症の感染源追及と対策
西口 まゆみ川瀧 美智子久保 小百合瀧川 圭一山岸 善文根ケ山 清藤田 次郎森田 敏子中澤 晶子
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1992 年 7 巻 2 号 p. 33-37

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抄録
1990年1月から1991年8月の期間に, 香川医科大学第一内科病棟入院中の免疫抑制患者37症例において上気道より, Pseudomonas cepacia (P. cepacia) を検出した. 感染源追及のため病棟内の環境調査を行ったところ, 病棟で使用されていたすべて (計8個) のネブライザー嘴管よりP. cepaciaが純培養された. さらに患者由来の菌株とネブライザー嘴管より検出されたP. capaciaとのtyping が一致したことより, ネブライザー嘴管を感染源とした院内感染であることが判明した. ネブライザー嘴管の消毒に使用していた0.1%ミルトンにてP. cepaciaは30秒以内に殺菌された. このことより汚染の原因は, ネブラ・イザー嘴管の複雑な構造のため, ミルトン消毒液が十分行きわたっていなかったことによるものと考えられた. 消毒方法を改善した結果, P. cep aclaによる院内感染症は終焉した.
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© 日本環境感染学会
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