予防精神医学
Online ISSN : 2433-4499
ストレスチェック制度における医師面接のあり方―産業医の役割を中心に
廣 尚典
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2018 年 3 巻 1 号 p. 95-105

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抄録
2015年の労働安全衛生法の改正により創設された「ストレスチェック制度」は、労働者のメンタルヘルス不調の第一次予防を主眼としている。しかし、その一部である高ストレス者に対する医師による面接指導は、第二次予防の面も考慮されなければならない。医師面接の対象は、「メンタルヘルス不調」が強く疑われる者および「メンタルヘルス不調」が疑われ,それに影響しているストレス要因として仕事や職場関連の事項が主である者であると考えられる。 筆者らは、3年間の研究により、ストレスチェック制度のうち,医師面接とそれに付随する活動,その後のフォローアップの効果的なあり方を検討し,実施マニュアルに沿って医師面接を円滑かつ効果的に行うためのヒントをまとめた「ストレスチェック制度における医師による面接指導のヒント集」(ヒント集)を作成した。ヒント集は、ぜひ実施すべき「重要事項」、できれば実施したい「勧奨事項」および「留意事項」からなっている。本論の別添として、ヒント集の全文を付した。 産業医は、ストレスチェック制度においても、現場の実態をよく知り、それを踏まえた活動を行える立場からの寄与が求められる。
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© 2018 日本精神保健・予防学会
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